保険の歴史
「保険」と聞くと、「最近できたもの」というイメージをもたれると思いますが、保険の歴史は「中世のローマ時代」にまで遡ります。ローマ帝政時代には、近代の生命保険に類似した「埋葬費支払い制度」と呼ばれるものがあったといわれています。
では、いつから近代的な保険業務が始まったのでしょうか。
近代的な保険業務の始まり〜冒険貸借〜
近代的な保険業務が始まったのは、17世紀後半だと言われています。17世紀後半は、海賊などが多発していたので、海上貿易に出て、無事に帰ってこないというリスクがありました。そこで、イギリスの「ロイズ」は、コーヒー店ながら、たくさんの船主でにぎわう店だったので、保険を始めて、海上保険の中心地になったというわけです。
※)のちにロイズは保険組合となります。
では、どういう保険の仕組みだったのかというと、船の所有者は、船が出港する前に金融業者から借金をして、もし船が無事に帰ってこなかったら借金が免除になるという仕組みをとっていました。これが現代の海上保険の原型となった「冒険貸借(ぼうけんたいしゃく)」というものです。
近代的な保険業務の始まり〜火災保険、自動車保険〜
では、火災保険や、自動車保険の原型は、どのように生まれたのでしょうか。
17世紀にはイギリスで大火災があったことから建設業者が火災保険を引き受けることで、現在の火災保険の原型が生まれ、19世紀には同様にイギリスで自動車保険も誕生したというわけです。